セーリング教室・虎の穴

 このコーナは、某有名セイラーが長い冬期間セーリングができない北国のセイラーのために自らキーを叩き、そのセーリング技術を伝授していただける教室です。

 学科はこのコーナーで習得し、実技は雪融けになったらみずからがセーリング実習を実施し、虎の穴卒業試験は春の各地方選手権で行ないます。

 参加者の3/2以上の着順に成れない者は落第とみなし水没の刑を用意することといたします、刑の執行は己の良心に従い自らが執行してください。

 このコーナーを見たおのおの方々が無事卒業できることを期待しております。

講習内容
12  後続艇をおさえる.その2 2002.3.5 
11  後続艇をおさえる.その1 2002.3.5 
10  ヨット乗り必見! 腹痛と腰痛 2001.6.30
 越後谷式レーザー・チューニング 2001.5.31
 潮流とコース(VOL3) 2001.2.26
 潮流とコース(VOL2)
 「潮流とコース」設問の解答と[潮流風](Q1.Q2.Q3.Q4) 2001.2.23
 潮流とコース(VOL1)  2001.2.8
 リーチングのコース (VOL3) 2001.1.16
 スポーツと体 2
 スポーツと体 1
 リーチングのコース (VOL2)
 リーチングのコース (VOL1)
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12 後続艇をおさえる.その2
 では、肝心のおさえ方を。(越後谷流)
フリートレース(マッチレースじゃないという意味で)の場合は、相手艇を特定するのではなく集団を相手として戦術を立てます。1艇だけ離れて遠くへ行ってしまったら無視します。下マーク回航後次の上マークまでの戦略、戦術です。まず、大事な事はスタート前に風上を見て戦略を立てるように自分としてはどちらのサイドへ行きたいかを必ず決めてください。これは下マークを回る前に決めておきます。ここで右が有利と判断したと仮定します。

 下を回って当然そのまま右へ伸ばします。前にじゃまな艇がいたら、臨機応変にタックを繰り返すなりしてやはりポリシーを貫いて右です。
 
 しばらくして、後続集団が左へタック。自分より右に伸ばしているのは先行する2艇だけ。この場合は「後続に抜かれないコース」のためにはタックです。後続艇とは高さでリードしているだけで、並行位置のはず。相手艇への風を自分は乱していないはずです。この状態を「ルーズカバー」と呼んだりします。

 相手(後続艇)は自艇の存在を気にしないので鼻歌でも歌いながら快適に、不利な左海面へ向かいます。しばらくして後続集団がタック。今度は相手の目の前(航跡上)かブランケットの位置で意地悪タックをします。この状態を「タイトカバー」と呼んだりします。相手が普通の神経のセイラーなら、この状態ではとても走れません。「ひっで〜な!」などと捨て台詞を残してタックして(不利な)左へ逃げていくでしょう。そうしたらまたルーズカバーです。これを繰り返していくと、自分は常に相手より有利な右海面を走る事になり、その差は広がります。

 有利な海面の判断を誤っていたら・・・・あきらめましょう。でも少なくともどちらかのタックで相手艇の風を奪えます。そして、自由の利かないピンエンドへ容易に追い詰める事ができます。よく見られるのが、いつも相手の前を通り過ぎ、ポート・スターボ同様に真上でタックを繰り返す行為。これは、見かけの風を考えるとヘタするとどちらのタックでも相手艇の風を奪っていません。又、風がどちらに振れても差が詰まる位置関係です。後続艇が、風の振れに合わせて的確にタック。それを見て先行艇がやや遅れてタック。これを繰り返して行くとどんどん差がつまり、そのうちポートスターボでミートするでしょう。もし、自分が後続艇の立場でこんな先行艇がいれば「抜ける!」と確信が持てます。でも前述のようなタイトカバー、ルーズカバーを使い分けて戦略的にどちらかへ追い詰めるような先行艇だったら、そのレグで抜くのはきらめます。かかわっていたら、自分の順位さえ落としかねないのでセオリー通り後続艇のおさえに専念します。

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11 後続艇をおさえる.その1
  下マーク回航後の戦略で非常に大切な事の一つに、「後続艇に抜かれない」事があげられます。先行艇と逆のコースを引いて大きく離れるという戦略は、かなりの高確率で順位を大幅に落とします。後続艇に抜かれないようなコース取りを心がけていれば、先行艇の数艇が勝手に順位を落として自分の順位が上がります。これは、多艇数であるほど、ロングコースであるほど効果てきめん。ということは、大きな大会ほど大事になってきます。

 私の場合は悪い順位で下マークを回った時は、トップ艇との差を覚えておいて次の上マークでなるべくその差が変わらないように努力します。だいたい差というのは広がるので、トップ艇と同じ差で回る事ができれば順位は上がります。この場合、自分とトップ艇の差は変わらないんだからその間にいた艇が勝手に落ちた??という解釈になります。トップ艇の動きを注視する事のもう一つのメリットは風上の風の状態を知る事ができるます。

 トップ艇に追いつこうなんて考えると的外れなところで攻めに出てしまい、順位を落としてしまいます。だからクローズは贅沢言わずに「同じ差」「遅れない」事に専念し、先行艇との差を詰めるのはフリーの時と決めています。ま、これはあくまで私の場合ですので、参考まで。

なるほど語録 その1
「最初の上りは、90%保守的なコースを。2上は80パーセントの守りと
20パーセントの攻め。最終の上りは50パーセントの守りと50パーセントの攻めを。」
旧オリンピックコースの頃、ウルマンか、デイブ・デレンボウの言葉。
どっちか忘れた。

なるほど語録 その2
「待て!という自分と、攻めろ!という自分。そしてそれを客観的に指示する
第三者を自分の中に持て」
青木功

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10 ヨット乗り必見! 腹痛と腰痛
筋力トレーニング/背筋
  腹筋と背筋はすべての動作の軸

 人の立位姿勢は脊椎の形状によって決まり、その脊椎は腹筋と背筋の筋力のバランスによって支えられています。このバランスは、一般的に腹筋30%および背筋70%といわれ、両者の筋力バランスが崩れることで、腰痛などの障害が起こる原因となります。
 腹筋運動はウエストを引き締める効果や便秘予防などの効果も期待できるため、日常的に行っている人が多い筋力トレーニングです。しかし、腹筋だけを鍛えることは、背筋との筋力バランスを崩すことになるため、注意が必要です。
 また、背筋は姿勢の保持だけではなく、運動における肩の機能にも重要な筋肉です。どんな運動にも必要とされる背筋ですが、肩を回したり腕を振り下ろす動きが多いスポーツ(バドミントン、野球、バレーボール、水泳など)においては、特に強化が必要とされます。
 
腰痛にならない背筋運動

 腹筋運動を行うときには、必ず、背筋運動も行うように心掛けましょう。筋肉トレーニングで効果を高めるポイントは、反動をつけずにゆっくりと行うこと。背中を反らすのに5秒、戻すのに5秒が基本です。最もやりやすい運動を中心に、まずは1日合計10回を目標に行ってみましょう。

1:上体を反らす背筋運動。うつぶせになり、両手は頭の側部をかかえるように置き、上体を反らす運動を繰り返します。無理な反動をつけると腰を痛めるので注意。

2:うつぶせで、脚を上げる背筋運動。うつぶせになり、両腕は手のひらを下にして両脇に伸ばしたままつけ、両脚をそろえて同時に持ち上げます。呼吸を止めずゆっくりと。

3:両腕両脚を後ろに反る背筋運動。うつぶせになり、背中を軽く反らせながら、両腕、両脚をゆっくり浮かせ、力を緩めずにゆっくり戻す。

スポーツトレーナー 佐藤 人志



情報入手先は「越後谷氏の営業サイト掲示板」から、もちろん無断でパクリました。著作料を要求された場合には、これを購読して改善された方より義捐金を募ります。[北の番屋管理人]
   http://www2.aaacafe.ne.jp/free/makani2/main.bbs

越後谷氏サイト「makanicreate」は下記に掲載しました、これは10回目の掲載を記念して、またこれはコマーシャル料ということで10本分のレポートに著作権が発生した場合に著作料の納入に換えさせていただきます。[北の番屋管理人]
   http://makani.jp.epharmanex.com/

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越後谷式レーザー・チューニング

越後谷式 レーザーチューニング (トラベラー編)
 

 レーザーの場合、スナイプや470のようにブームをセンターに引き込む必要はない。最大に引き込んでもガンネル上で充分。このことから、トラベラーを長くする必要性は全くない。そして、バングを引き込みやすくするためにもトラベラーはめいっぱい短く(低く)セットするのが最適。(ティラーと、トラベラーブロックの動きを妨げない程度に)この、トラベラーのセットを前提に、バングの話に入ります。

越後谷式 レーザーチューニング (バング編) 

クローズ
風速0〜4(オーバーパワーになるまで)ではブロックtoブロックで固定。微風時は、ここまでバングをかけた上でメインシートを出します。重量級選手は、これよりちょっと緩めという人もいるようですが、私はどんな微風でもこれより緩めません。セールが深くなって失速する(ような気がします)

オーバーパワーの風
・・は私はとても遅いんですが、参考までに風速が上がるにつれて、どんどん引いていきます。目安は、ブロックtoブロックまでメインシートを引いた状態からメインシートをリリースしたとき、ブームエンドが45°〜60°の角度で移動していく状態になるまで引きます。これは、一般的な目安のようです。

フリー
 クローズよりも緩めます。(当たり前ですよね)どのくらい緩めるか??
これはリーチを見た感覚で覚えるしかなさそうです。スナイプや470の感覚とだいたい同じです。あまりツイストして、パンピングしてもトップが動かないようなら緩すぎ。リーチリボン(最初はつけた方がいい)が動かなければ引きすぎ。

テークルは1/8です。

越後谷式 レーザーチューニング (アウトホール編) 

アウトホールは、0〜4ではブームセンターの最も深い場所でブームとセールが30Cmくらい離れています。1〜2m/sの風でこのセットにして、4m/sに上がった時は風圧で30Cm以上に膨らむので、ちょっと引いてやる必要があります。
ブームエンドのアイの内側とセールのクリューエンドの間隔は風速0〜2mで16〜7Cm。3〜4で15Cmくらいになると思いますので、マジックで印をつけておくと便利。メジャーテープなんか貼ると違反です。

 結構深すぎて驚く人も多いのですが、バングが普通より引き気味なのでセール全体は浅く見えるらしい。(s々木共之 談)アウトホールは、これより引くと上りが悪くなります。「エッ?逆じゃない?」と言う人が多いんですが、セールは最適な深さが最も上ります。これより引いても出しても上りません。

バング同様吹いてきたら引いていきます。バングやカニンガムは吹いたら「親の敵!」とばかりに引きますが(改行男 談)アウトホールは「拳の量」よりは引きません。
ブームエンドで、10Cm程残っています。というのは、バングをガンガンに引いてセールの上半分は全くフラットなのに、(有効なディパワーなのでこれはこれでいいと思います)アウトホールまでガンガンに引いて下もフラットにしたら、一体、セールのどこで揚力をえるんや〜〜!という考えの基に、ヒールモーメントの少ないセール下部には少しカーブを残して、そこから揚力を得て走ろう(^-^)(^_^)vというのが、越後谷理論です。琵琶湖のA山御大や、フランクベスウェイトも同じ意見なんだぞ!!

でも、しつこいようですが、私は吹いたら遅い。

吹いても、吹かなくても比較的緩めという事もありますが、フリーではアウトホールはそのままです。3〜4mできつめのリーチングに入った時はまれに引くこともあります。

越後谷式 レーザーチューニング (カニンガム編) 

カニンガムは1/8で引いています。上に輪が二つ、マスト下に一つ。
これ以上の説明は文章では混乱するので省略。

オーバーパワーまでは、皺がとれる程度、あるいは全く引きません。吹いたら、やはり引きます。私の場合、8m/sくらいで「親の敵」引きです。カニンガムのリングがブームと重なるくらい引きます。シートはブームをまたがせると物理的に引けません。ブームの片側を行って来いでセットします。当然、マストホールはそのうち破れてきます。でも、ここまで引くと全然違います。引かないと、ただ吹き倒されそうなのが、引くと推進力に変わっているのが実感できます。レーザーって、バングをガンガン引いてバリバリベンドさせると、ドラフトが限界まで後退するわけです。それを補正するために、カニンガムガンガンです。

フリーでは、必ず緩めます。特に強風だと、手抜きしたくなりますが、緩めないと不安定で沈しやすくなります。

以上おわり

アウトホール追伸 

緩めのセットだと、スタートの時など上艇を殺しやすい。下に、アウトホールゆるゆるの艇がいたら、多めのルームが必要。しかも、上りがいいから始末におえない。

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 潮流とコース(VOL3)

 潮流風の話では、全艇が同じように動く絨毯の上でレースをしているので潮流によってコースを考える必要はないような結びでしたが、そうではありません。実は、コース取りによって絨毯の動きが違う事が問題になります。

 潮は水深の深い場所(普通は沖合)で速く、浅い場所では遅くなります。風上から風下へ潮がある場合は上マークへ行くのになるべく潮の弱いコースが有利です。と言うことは岸よりになるコースが正解です。逆に上マークへ後押ししてくれるような潮だったら、なるべくこれを活用するために沖だしが正解です。シンプルでしょ?

 潮流風と合わせて考えると、結果的に正しいコース選択をしたほうが強い風を受けて走ります。これをパフと勘違いする人も多いのですが、クローズ限定で考えると勘違いしても結果オーライです。
(例のT槻氏取材の舵の記事にそっくりになってきたぞ!)
続きはまた、いつか。わかりやすく相模湾での実際例で考えてみます。

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 潮流とコース(VOL2)
 「潮流とコース」設問の解答と[潮流風](Q1.Q2.Q3.Q4) 

答えはすべて×です。

よく誤解されがちな話を集めたものです。1,2については、国語の問題で異論もあると思いますがあまり突っ込まないでください。詳しくは、また後日。

> まずは、問題をいくつか・・・○×で回答してください。

> 1,潮の流れによって、コースサイドの有利、不利はない。

> 2,スタートラインをクローズで横切ってラインのどちらが有利か判断した。しかし、潮流も考慮すると有利なエンドが変わる事もある。

> 3,クローズで片方のタックで走っているときに、バウのやや風下側から向かってくる潮があるときは、上り気味にハンドリングすると、潮がどんどん艇を風上に上らせてくれる。

> 4,上記3の場合は、潮に負けないように逆に少しおとし気味で潮にバウ先を向けて、スピードビルドする必要がある。

> 5,最初に潮に向かっていくようなコース取りが良い。最後のアプローチでグイグイ伸びていく。

> 6,まずは潮に乗せるようにコースをとり、序盤でフリートをリードし、潮に逆らってマークにアプローチしたほうが良い。序盤で遅れると取り返しがつかない。


[潮流風]
 たとえば東から西へ1ノットの潮流があれば、海面でなにもしないと西へ1ノットの速度で流されます。すると、西から1ノットの風を受けているように感じます。

たとえば、実際の風速がゼロで上記の状況を陸地が見えない太平洋の真ん中で体験したらどう思うか?1ノットの潮流に流されているとはだれも気付きません。西から1ノットの風が吹いているとしか感じないはずです。これが潮流風です。

これに実際西から1ノットの風があれば、潮流風をプラスして2ノットの西風を受けます。実際の風向と潮流風がずれている時は(普通はずれています)ベクトル図を書けばわかります。波や、潮の強弱、方向の変化、パフやラルなど、他の要因がなければこの潮流風と合成された見かけの風にテルテールを合わせて普通に走るのがベストです。


<解説>
 Q3,4が×なのは、これで納得でしょうか?特に3は誤解されている場合が多いようですが、潮流はその方向以外には作用しません。川を棒きれが流れて行く光景を思い浮かべてください。棒きれがどの方向を向いていようと、流れの方向にしか行きません。

 Q1については、流れで見かけの風が変わるので影響を及ぼします。あの、ハルミツ優勝の津のミッドウインターは、あれだけ吹いても潮流の影響で最後まで下有利でした。でも、古いレーザーニュースをストックしている人は、あのレースの記事をみてください。写真のキャプションに「上有利なのに、なぜか下に集まるレース艇」とあったはずです。本部船からアンカーリングして計った風向・風速と、海面でヨットが受けている風向・風速は潮流があれば変わります。

 Q2のように実際に帆走して判断した有利、不利は間違いありません。

今回は、ややこしい話でしたが、まとめると「じゃあ、潮って無視すればいいの?」と思ったアナタ。

それは違います。じゃあ、どうすればいいの?という話は次回にします。考え方はとても簡単です。

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 潮流とコース(VOL1) 


 潮流のある海面は難しくてさっぱりわからない!!と言う人は結構多いようです。でも、基本的な考え方はとてもシンプルです。私は潮のある海面は大好きです。なぜなら、「さっぱりわからない!」という人が多いので、潮流を活用できる分有利にレースができます。潮が強ければ、強い程大好きです。

ややこしくならないように、今回はクローズホールドのコースに限定します。
まずは、問題をいくつか・・・○×で回答してください。

1,潮の流れによって、コースサイドの有利、不利はない。

2,スタートラインをクローズで横切ってラインのどちらが有利か判断した。しかし、潮流も考慮すると有利なエンドが変わる事もある。

3,クローズで片方のタックで走っているときに、バウのやや風下側から向かってくる潮があるときは、上り気味にハンドリングすると、潮流とコース潮がどんどん艇を風上に上らせてくれる。

4,上記3の場合は、潮に負けないように逆に少しおとし気味で潮にバウ先を向けて、スピードビルドする必要がある。

5,最初に潮に向かっていくようなコース取りが良い。最後のアプローチでグイグイ伸びていく。

6,まずは潮に乗せるようにコースをとり、序盤でフリートをリードし、潮に逆らってマークにアプローチしたほうが良い。序盤で遅れると取り返しがつかない。


よく議論されそうな話ですが、回答には100%自信があります。回答は次回ということで。正解者にはなにもあげません。

回答は〆きりました2/23



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 リーチングのコース (VOL3)


 潮流がきついとき(私の性質上、軽風で有効な話が多いです)これはもう、ラムラインを走るのが鉄則です。次のマークにバウ先を向けるのではなくサイドマークの向こうが陸地なら見通しの目標物とマークの位置が変わらないようにハンドリングします。ヨットは斜めに横滑りしているようなかんじになります。

 見通しが取れない場合は、コンパスを見る。コンパスがなければ、前に回ったマークを何度も振り返って、流されていないか確認します。こんな状況で後方で回ったときは、抜くチャンスです。

上回航後、前の艇団が風上にふくらんでいたら。
→普通は、他艇の影響をきらって上る艇が多いのでこれはよくありますが、異常に膨らんでいたら潮流の影響を疑うべき。なるべく落とし気味に、そして落としているつもりにならないよう、時々マークを振り返りましょう。

逆に、下に膨らんでいたら。
→これは、まず潮流の影響でしょう。それも、ほとんどの参加艇の想像以上の。この状況は這い上がる大チャンスです。

 柏崎のレーザー全日本第一レースでありました。私と和歌浦のI出選手の二人が上を30番くらいで回航。前の艇団は下にへこんでいました。上り気味にいきましたが、それでも見通しを見ると下に下っていく。結局クローズとアビームの中間くらいまで上らせてやっと見通しが変わらなくなりました。(マークにまっすぐ移動している状況です。)バウの向きはマークより15〜20゚程上を向いていました。私とI選手の二人だけがこのように走っていましたが、回りの艇は我々がラフィングマッチをしているとでも思っているようで、誰も同じコースには来ませんでした。サイドマークではほとんどの艇が最後はクローズになり、更にタックしてサイドを回航していました。我々2艇はラムラインを走り、サイドではシングルまで上がりました。こういう気持ちのいいことはいつまでも忘れません。

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 スポーツと体 2

 運動能力向上のためのプログラム一般論です。
オリンピックでメダルを狙う方も、レーザーマスターズで1割順位を上げたい方も(火、水曜日あたりに疲れががっくり来て困る方も)、子供が運動会で活躍して欲しい方もみなさんに効果的です。

1,日々の食事では炭水化物をよくとり、グリコーゲンを蓄える

2,運動開始2〜4時間前に食事をする
 (良質のタンパク質や単糖類・多糖類をバランスよく)

3,運動開始30〜60分前の留意点
→運動開始前の食事は血液が胃腸に集まってしまうこと、血中のインスリン値が上昇し疲れやすくなるのですすめられない。運動前は、果糖やビタミン・ミネラルをとることが大切。果糖はインスリン値をあげずにグリコーゲンを蓄えることができます。抗酸化ビタミン・ミネラルをとって、活性酸素を消去する準備も必要です。

4,運動中にエネルギーの補給をする
 (30分ごとくらいに、15〜30グラムの良質な糖質補給がベスト)

5,運動後に炭水化物や抗酸化物質を補給
→炭水化物の補給:運動中に使われたグリコーゲンを元にもどす(1時間以内)
→ビタミン・ミネラル・抗酸化物質の補給:運動中大量に使われたビタミン・ミネラルの補給、活性酸素を消去する抗酸化剤も大切。

6,水分を上手にとる
  運動前:15〜20分前に0.4〜0.6リットルの冷たい水分をとる。取りすぎると運動能力が低下する。

  運動中:汗ででる水分の80%を運動中にこまめにとる。「のどが渇いた」と感じたら手遅れ。

  運動後:疲労を早く取るには血液中の水分を増やし、血流をよくする。そのため運動後の補給も大切。きちっとやると、疲れ方が全く違います。というより、まったく疲れないといっても過言ではないくらいの違いです。

MAKANI CREATEでは、いろいろな分野での栄養指導、説明会を各地で行っています。詳しく知りたい方は御連絡ください。

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 スポーツと体 1


 ここでちょっとまじめにスポーツ栄養学を考えます。
1992年に出版された「スポーツは体にわるい」(加藤邦彦著)という本は、多くのスポーツ関係者にショックを与えました。タイトルだけだと誤解する方が多いので、補足すると、過度のスポーツは多量の活性酸素を発生させ、ストレスも引き起こすから、よくない場合も多い。という内容でした。

 データとして、「オリンピックの金メダリストは、一般人に比べ寿命が9才短い」「体育会系卒業者は同じく6才短い」「昭和生まれの横綱の平均寿命は50才代と、非常に短命」たとえば、コレステロールの高い方は、医者に「適度な運動をしてください」と必ず言われます。ですから、「過度」なスポーツは良くないが、「適度」なスポーツはいいという事。具体的には、心臓を激しく使うスポーツ選手はふつうの人に比べ健康に対する注意がより必要です。

 レーザーでいうと、強風のハイクアウトは完全に該当します。直接的な対策としては、活性酸素から体を守る「抗酸化剤」が、絶対的に必要です。

 スポーツ選手にとっては、命を守る食品です。次回は、スポーツ栄養学の一般論にしたいと思います。

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 リーチングのコース (VOL2)


  基本は最短のラムラインです。これが大前提です。
風が振れて片上りに近くなったときも、リーチングのコース取りに注意が必要です。

 右に振れて、上までスターボロングの場合は2マークまでランニングに近い状態になります。こんな時は、マーク回航直後に競り合って上っていった艇がサイドマークへのアプローチでデッドランになったりジャイブしたり・・・・遅れます。このような状況で上回航後、特に競っているときは思い切って落とした方がいいようです。

  逆に、クローズがポートロングだったらリーチングがきついので2マークへ最後に落としていってもスピードは落ちません。そればかりか、上回航後の感覚でつい走りやすい角度にする傾向があるのでしばらくみんな落としすぎてしまい、途中で「あれっ?マークはあんなに上にあるぞ!」というような事もあります。ですからこんな時は落としすぎに注意。競っていたらかなり無理な角度に思えても、上っていい状況です。

 スループ艇の場合、ウイスカポールやスピンは回航直後は展開したら最悪です。クローズの後デッドランのコースに入る場合は簡単ですよね。前者(クローズでスターボロング)の場合はランニングはポートになるので、上回航後ジャイブ。後者(クローズでポートロング)の場合はそのままスターボードでランニングです。

 たまに見慣れない人が上をトップで回航しても、すぐ抜かれますよね。あれは遅いのではなく、このような事をなにも考えないで回航してその後にマークを探してアタフタしている場合が多いです。普段は前の艇を追いかけているだけなので、どうしていいかわからないのです。

 上位慣れしている人は、回航前に次のレグをどう組み立てるか考えています。だから遅れても這い上がってきます。

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1  リーチングのコース (VOL1)

リーチングでは、ラルで上って、パフでおとす。改行さんも書いていたベーシックな走らせ方です。

強風のきついリーチングを除くと、上った方がボートスピードは増します。上った艇と、おとした艇が最後にマークまで同じ距離を残していたら、おとした艇が、スルスルとスピードアップして上って来て先行します。

上った艇は最後にマークに向けておとしたら、スピードが無くなって下の艇団にごっそり行かれる・・・一度は誰もが経験する事です。ところが、このときにパフが入ると上った艇もスピードにのったままおとしていけるので、それまでにがんばっておとして行った艇が、ばかを見ます。ややこしい話ですみませんが、結論です。

上を回って、次のマークまでに風速がおちそうな時は、落とし気味のコースが良い。パフがあるうちに、それに乗せて落として行ったほうが良い。最後にマーク近くで、上から落としてくる艇は、落ちた風の中苦労する。

逆に吹き上がってきそうな時、あるいはラルの中で回航した時は、上り気味のコースがマル。最後にマークに向けて落としても、パフの中では遅くならない。

続きはまたいつか。

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